世界でたったひとつだけの服

先日、友人のご家族の老人施設の慰問にご一緒させて頂く機会がありました。

慰問にいらしたのは、峰晴会という三味線をメインに民謡も歌って下さる会です。
そこに、写真仲間のゆ〜ゆ〜さんが演奏するとお聞きし、とっても楽しみにしておりました。


いや〜、「素晴らしい」の一言でした。
老人施設にすでに入居されている方って、身体が不自由だったり、認知症が発症されていたりという方がほとんど。
会場に来るときも、職員さんに付き添われて、車いすでいらっしゃる方ばかりでした。

友人のご家族のお母様も、当然車いすです。


でもね〜、どなたも困らせることなく演奏を聴かれていたんです。
時間として４０分ぐらいでしょうか。

最初は、なんとなくお顔の表情がなく、無表情だったのが、演奏が進むにつれて、表情が和らいでいくのがわかります。

中には、口ずさんだり、足踏みしたり。


自分の身体で、演奏を聴いている感動を表現するんです。
懐かしい、三味線に民謡を聴いて、その喜びを身体でもって表現しているんです。

お顔を拝見しても、無表情なようにみうけられても、身体ではその喜びを一生懸命表現しているんです。


演奏される方も、そんな様子がわかるのかとっても熱が入った素晴らしい演奏をして下さいました！


五感って、人生の記憶を蘇らせるのでしょうか。
遠い遠い過去を思い出すかのように、涙ぐむおばあちゃんも。

この日の会場にいらした、老人の方々・・・・

長い長い人生がそれぞれにあったんですよね。
色々なこともおありだったでしょうに。

ふと、今自分も自宅で介護をしています義母の姿を頭に思い浮かべながら、ひょっとしたら、いずれ施設にお世話になるのかもと思ったり。

どんどん記憶は忘れ去って、生活できないレベルになるかもしれませんが、でもきっとこの日の老人の方々と一緒で、民謡や三味線の音を聞いて涙するのでしょう。

本当に素晴らしい演奏会でした。

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